興味別ガイド

主な興味分野毎に、Radyカリキュラムの「おすすめ活用術」を記載します。

ベンチャー・起業  に興味がある方

Radyスクールは起業を目指すMBA applicantに、胸を張ってお勧めできるビジネススクールです。「産・学・地ネットワーク」で述べたように、RadyスクールのMBAプログラムはUCSDの豊富なリソースを駆使し、学生を起業家の卵として立派に育成してくれます。

例えどんなに素晴らしい新規事業アイデアを持っていても、それだけで成功が約束されないことは言を待ちません。思い描いたアイデアを形にするには、戦略やマーケティング等の知識・スキルに加えて、強い信念や行動力、粘り強い思考力や先見性など、ビジネスパーソンとしての多岐に渡る能力が求められるのではないでしょうか?

Radyスクールの1年目は、綿密なビジネスプランを練るのに必要なコア・スキルを学びながら、教室内外の活動を通じて新しい経営観と思考パターンに触発されます。2年目には、選択科目としてBusiness DevelopmentやNew Venture Finance等の新規事業にフォーカスしたクラスが用意されています。多くのクラスメートがそうであるように、テクノロジー系のベンチャーを志向するのであればTechnology & Innovation Strategyを受講するだけでなく、エンジニアリングスクールの授業を聴講してエンジニア達と技術の実用化を議論してみてはいかがでしょうか? 真に有望な新規事業アイデアを発掘した場合は、UCSDが主催するEntrepreneur Challengeに参加してスタートアップ資金を獲得することもあながち遠い世界のことではありません。

次に、サンディエゴのビジネス・コミュニティもRadyスクールの学生が享受できる環境特権です。バイオベンチャーの集積に伴ってVCや投資ファンドも大幅に増え始めており、地域産業界はますます起業家精神が高まっています。各種イベントに参加すれば自らのロールモデルとなるベンチャー経営者と知り合う機会に溢れています。実際に起業を経験している彼らは、自らのアイデアをぶつけてみる絶好のスパーリング・パートナーであり、教授陣とは異なる観点のアドバイスをくれることでしょう。

そして、あなたを最後に待ち受けているのがRadyスクールの目玉カリキュラムであるLab to Marketです。アイデア創発からエレベーターピッチに至るまでのプロセスを総合的に演習して、起業家の卵として羽ばたきましょう。

ゼネラル・マネージメント  に興味がある方

ゼネラルマネージメントには、文字通り幅広いビジネス知識と強靭なヒューマンスキルが要求されます。各分野の鍵となる概念や「勘所」を正しく理解し、戦略、R&D、財務、マーケティング、オペレーションなど様々な分野のリーダー達と生産的なコミュニケーションを図り組織全体を牽引しなければなりません。財務諸表を作成したことの無い人が財務諸表の勘所が分かりますか?という話です。あるいは、オペレーションの定量分析手法を知らずして「とにかく在庫を減らせ」と声を上げたところで周囲の協力が得られますか?という話です。

Radyスクールのコア科目は、ゼネラルマネージメントに必要とされるな科目を網羅しています。選択科目については、組織を率いる責任を担う者として、特に組織論にフォーカスするのというのは1つの有効な選択肢です。組織論では、多様な人々あるいは組織をいかにモチベートし、協調を促し、そして、イノベーションを促進するかというゼネラルマネージャーを目指す人には極めて有効な概念やビジネス哲学を習得できます。加えて、自分の強み分野を伸ばすことはもとより、馴染みの無い分野を積極的に学習し「対話」の幅を広げていくことも重要です。

ヒューマンスキルを磨くことも重要です。リーダーシップはもとより、組織内への意思伝達、外部との交渉などといったコミュニケーションスキルを最大限に強化することが有効です。コア科目、選択科目といったカリキュラム上の科目はもちろん、グループワーク、クラブ活動、その他様々な交流機会をフル活用していきましょう。

マーケティング  に興味がある方

マーケティングというと、どのようなイメージを持つでしょうか?多くの方は、販売促進や広告戦略というイメージを持つかもしれません。しかしながら、マーケティングの意味はビジネス環境の変化とともに、様々な変遷を得ながら、より大きなものになりつつあります。現在では、顧客が真に求めるサービスの開発および顧客が効果的にその商品を得ることができるようにするすべての戦略がマーケティングとなります。具体的には、ブランディング、販売戦略、販売網戦略、営業、顧客情報管理など、多くの分野にまたがる分野です。

Radyはマーケティングにどの程度力をいれているのでしょうか? 答えは、とても力をいれている、です。多くのMBAスクールでは、マーケティングの授業は選択に分類され、全員が履修することはそれほど多くありません。しかしながら、Radyでは必修の授業にマーケティングが入っています。必須の授業を通じて、全員が数多くのマーケティングケースをこなすことで、ビジネスを行う上で必須ともいえるマーケット感覚を磨いていきます。

授業としては、Research for Marketing Decisions、Marketing Strategy、Marketing Communications、Consumer Behaviorなどが準備されており、アントレプレナー向けとしてはNew Product Developmentなどの授業内でより状況にあったマーケティングについて学びます。

更に近年は、マーケティングの分野では大きな変革が起こりつつあります。より顧客の求めるものを明確に知るために、ビックデータの活用が盛んにおこなわれるようになりました。Radyもこの分野を積極的に推進するためにThe Center for BusinessAnalyticsという組織を2015年に設立しました。このセンターでは、研究だけでなく、コンサルティングプロジェクトや、エグゼクティブへの教育、パートナーへとのシンポジウムの開催などを行っていきます。

ファイナンス  に興味がある方

Radyスクールは、MBAカリキュラム単独で、ファイナンス分野に特に強いとされるMBAスクールと同レベルのカリキュラムを提供できるか?答えはNoです。ここは、ファイナンス分野に重点を置いたスクールではありません。では、ファイナンス分野を重点的に学習したい方がRadyスクールに来ても、平均的なMBAスクールのカリキュラムと同等の効果しか期待出来ないのか?この答えもまたNoなのです。

なぜならば、Radyスクールは、一歩踏み込んでファイナンス分野を学習したいと考える人に、極めて恵まれた環境を提供できるからです。ここで提供されるファイナンス系のコア科目は至って標準的なものです。これは、一通りファイナンスも学習しておきたい人にとっては、願ったり叶ったりのレベルです。しかし、この項目を読んでいる方は、今一歩深いところまで学習意欲があるかと思います。

そのような方は先ずもちろんのこと、ファイナンス系のElective科目を受講するでしょう。例えばPortfolio Theory in Practiceは、マーコビッツ教授が担当します。教授は1990年にノーベル賞を受賞した後、現在も教鞭を取っており、Portfolio Theoryの発展過程も含めたストリー・テリングで授業を展開するという、Radyの名物講座の一つとなっています。

それでも満足出来ない方に待っているのが、他学部聴講やIndividual Directed Studyです。まず、Radyの豊富なファイナンスの教授陣を活かし、2014年に新設されたMSF(Master of Finance)が選択肢となります。デリバティブやクオンツ系の授業を履修することも可能です。また、Radyの誕生母体の一つである経済学部では、計量経済学を中心に全米でも屈指の教育が展開されています。それを他学部聴講することが出来ます。あるいは、その経済学部とRadyスクールの両方に籍を置く教授と、Individual Directed Studyで距離感を縮めて学習をするということもあります。Radyのカリキュラムそれ自体で不十分だと思えば、自分で道を作ればいい。その道に恵まれているのが、Radyスクールなのです。

オペレーション  に興味がある方

オペレーション・マネージメントとは、メーカーの生産効率化・品質管理等の分析手法であり、それを様々な他の分野に応用する学問分野です(例えば、空港の手荷物検査場の列、航空会社のオーバーブッキングを取り上げます)。日本でもビジネス書コーナーにある「ザ・ゴール」の内容と重なる部分が多く有ります。MBAに出願する時点では、この分野に強い興味を示す人は少ないかもしれません。しかし、Radyスクールの冬学期を終えれば、多くの生徒がこの分野に興味を持つようになります。

その背景の一つにはコア科目のOperationを教えるTerry August、Hyoduk Shin両教授の授業が素晴らしいという点が挙げられます。彼らのウィットに富んだ授業展開、豊富なマテリアルは、「オペレーションって何?」と思っていた生徒を、「オペレーションが好きです」と言わしめるのです。Radyスクールは若いスクールであるために、若い助教授も多いのですが、そういった若く教育意欲の高い助教授によって授業が展開される典型的な例にあたります。

既にこの分野に興味がある人は、コア科目を習得した上で、その後もIndividual Directed Study等を活用し、助教授と共に理解を深めていくことが出来ます。また、先程も述べましたが、オペレーション・マネージメントで学ぶことは、メーカーでなくとも、あらゆる「たくさんの何かが動く」ビジネスプロセスの分析に応用可能です。今、オペレーションに興味が余り無い人にでも、将来的にはきっとあなたの強みの一つになる分野です。